2020年度神奈川県入試問題について個人的な意見を書きます【数学編】

さて、特色検査組も本日で試験が終わり、今回の神奈川県公立高校入試の問題について、各塾が様々な総評を出されている中、中学校の定期テスト対策と丸被りしたので、中々問題を解けなかった海鋒です。

さて、今年も各塾の総評も踏まえつつ、弊社としてでは無く、海鋒が個人的に今回の理系科目はどうだったのか。意見を書いていきたいと思います。

まずは、数学から。
数学は、問題形式の大幅な変更がありました。

2019年度の問題配点。

問1 15
問2 22
問3 14
問4 14
問5 10
問6 14
問7 11

2020年度の問題配点。

問1 15
問2 24
問3 23
問4 14
問5 10
問6 14

問7 無し

※赤字で記載した箇所が変更
上記のように、大幅な形式の変更がありました。2018年度の入試から2019年度の入試に関しても、配点の変更があったので、2年連続の変更という風に捉えていいと思います。
また、例年平面図形の証明が問7に存在していましたが、今年度から問3の一部に組み込まれており、言うならば格下げのような扱いをされております。

【問1・問2 計算問題と小問集合】

問1・問2に関しては、難易度も形式も大幅な変更は無く、ここまでは難なくこなせた生徒が多いことでしょう。問1・2の39点は死守しなくてはならない点は変わっていません。

【問3 様々な分野から構成された問題】

問3には様々な問題が盛り込まれており、先に記載した平面図形の証明、例年通りの平行四辺形内部の三角形の面積を求める問題や、ヒストグラムを情報から選ばせる問題、反比例の応用で良く出る歯車の問題など、知識が多岐に及ぶ問題構成となっています。子どもの精神面から考えると、数学が得意な子なら何とか対応できたかなと思います。逆に、入試当日の緊張感の中、問題形式の変更で動揺し、数学が不得意な子だったらほとんど落としてしまっているのではないでしょうか。とは言え、内容はそこまで難しくなく、非常に解きやすい問題が並んでおり、中学生数学の内容をしっかり勉強してきた生徒かどうかを見る、良問が並んでいたと思います。

【問4 関数】

さて、去年も悩ませた関数の問題ですが、(ア)、(イ)、(ウ)の、どの問題も傾向は変わっていません。ただし、今年も(イ)に関しては点Eの座標が正しく出せていない生徒が居ることでしょう。対して難しくないのですが、本番の緊張感から線分比の関係を上手く読み取れない子は落としてしまいますね。さて、(ウ)に関してですが、去年の問題と同等かそれ以下の簡単な問題でした。上位校受験者は取れている子が多いことでしょう。計算がややこしいのは、普通のことなので、カリカリ計算すれば5点がもぎ取れる、こちらも良問でした。

【問5 確率】

さて、毎年鬼門とされていた問5の確率ですが、今回はそこまでの難易度ではありませんでした。
(ア)に関しては数え上げれば、すぐ答えにたどり着ける問題ですし、(イ)に関してはちょっと数え上げるのが面倒な程度で、2018、2019年の確率に比べたら、大したことの無い問題です。

【問6 空間図形】

問6の空間図形は、展開図が記されたパターンの問題が今年度は出題されました。
しかしながら、この問6も(ア)、(イ)とも非常に取りやすく、中3で習う三平方の定理の理解を問う良問でした。今回の数学の入試において、最大の難問は問6の(ウ)でしょう。
まず、立体にしたときの図形が想像しにくく、組み立てられた三角錐を速記して創造できるかどうか。更に中点G、Hから辺AI、DIにかけた線分の最短の長さを平面に落とす想像力が必要です。子どもの想像力と創造力を試してきた、こちらも良問だったと思います。正答率は低いと思いますので、取れなかったからと言って落ち込むことは無いでしょう。

【総評】

全体としては易化したと言っていいと、個人的には思います。
上位校と中堅下位の高校で差が開く問題構成となっており、昨年から懸念されていた、余りにも点に差がつかない入試問題から脱却し、各学年の学校の勉強の延長に入試問題が存在するという位置づけを取ってきた問題なんだろうと思います。
上位校での点数のインフレは必至。平均点は確実に上がってくると言っていいでしょう。
これからの対策としては、問〇、問□で点数を取れば何とかなるというような、局所的な勉強ではなく、中学数学の全範囲から出題されることを意識して勉強をしていくことが大切となっていくでしょう。空間図形は出来ないから、最初から捨て捨て、などと言って解答していなかったような生徒は、そこまで点数が取れていないでしょうし、中堅下位の高校受験者でも、7割程度は得点できる実力が無いとダメでしょう。ふたを開けてみなくては分かりませんが、60点代に平均点が乗ってくるのではないでしょうか。去年まで私もブログで取らなきゃいけない問題をきっちり取ればいいと言っていましたが、今後はどんな問題でも取れるようにしておくような数学の知識と力が試されていくことでしょう。
☆海鋒のつぶやき☆ ⑳

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