2020年神奈川県公立高校入試についての私見【文系教科】

 こんにちは、山ちゃんです。

2020年度の公立高校入試がほぼ終わり、受験生や保護者様は合否結果が気になっていることと思います。大手塾の塾生の平均点が発表され、今年の入試の輪郭が見えてきました。あくまでも予測ではありますが、平均点が上がると予想される教科の上がり幅が下がり幅を大きく上回るため、合計点の平均点は昨年度より15点~20点上がると予想しております。そこで、詳細とは言えませんが、山ちゃんが2020年度の入試問題をざっくり斬ってみようと思います。

●英語
→平均点は昨年と同等、あるいはわずかに下がると思います。
問2の単語を書く問題は最頻出レベル(教科書レベル)を超える単語であったため、英語が得意な生徒以外は苦戦したと思われます。

問3の四択問題は非常に簡単でした。ここで点数を落とした生徒は厳しい結果になったと思われます。

問4の語順整序問題は(ウ)と(エ)がやや難しかったと思います。前半では問4で英語が得意な生徒と苦手な生徒の明暗が分かれたことと思われます。

問6~問8の読解問題に関しては、問8の(イ)がやや難しかったと思いますが、それ以外は標準レベルだったと思います。

総評としては、英語が得意な生徒と苦手な生徒で得点に大きな開きが出る出題だったと思います。具体的には問2、問4、問6、問7、問8は学校の授業レベルでは対応できない問題が含まれていました。特に読解問題は国語の入試問題以上に読解のテクニックが必要であったと思います。強いて言えば、国語の問五の資料読み取り問題に近く、設問の内容を理解した上で、解答の決め手となる情報や表現を読み取れないと正解を導くのは難しいと思います。大手塾の平均点が県平均を大きく上回るのは、生徒がこういったテクニックを持ち合わせているからではないでしょうか。

●国語
→平均点は少し上がると思われます。
問二の古文は文章の筋道を理解し、設問同士の整合性を考えて解けば、決して難しくはない問題でした。

問三の小説、問四の説明文の難易度は例年並みでやや易しいと思います。

問五の資料を読み取り記述する問題も難易度は昨年と同様でした。

総評としては、国語は問二の古文が内容を問う出題傾向が強くなっているため、以前よりも点が取りやすくなっていることと、問五の問題パターンに受験生が慣れてきたため、大きく点数を崩す生徒が少なくなっていることが平均点の上昇傾向に表れています。トップ校では差がつかない可能性もあります。他の科目と同様に、平均点があまりにも高騰しているため、次年度以降は国語の問題が難化する可能性も考えておかなければならないでしょう。

●社会
→昨年よりも県の平均点が10点~15点あがる可能性もあります。問7に地理・歴史・公民の融合問題が加わり、出題傾向が変わったにも関わらずこれだけ平均点の上昇が予想されることは驚異的といっても差し支えないと思います。

地理分野は配点が昨年の35点から30点へと若干下がりました。問題のレベルはやや易しかったと思います。

歴史分野も配点が35点から33点になりました。問題のレベルは易しかったと思います。

公民分野は配点が30点から37点へと上がりました。問題のレベルは地理や歴史と同様に優しかったと思います。

総評としては、社会の平均点が高騰した理由は3つあると思います。
①地理・歴史の配点が下がった
社会が苦手な生徒の大半は、一・二年生で学習した範囲である地理や歴史を苦手としている傾向が強いです。加えて正解を導きやすく傾向が変わったことも平均点があがったことと深く関係していると思います。

②資料・表の読み取り問題が増加
単純に資料や表が表している内容を選択する問題が3問(12点)出題されました。昨年は同様の問題はなかったので、純粋に12点増えたことになります。社会の知識がなくても解ける問題なので、社会が苦手な生徒には好都合でした。

③組み合わせを問う問題が減少
出題内容は難しくないのに、点が取りづらい一番の原因は組み合わせを問う問題が多かったことにありました。このパターンの問題が昨年の18問(52点)から15問(46点)へと減少したことも平均点上昇の大きな要因の一つだと思います。

昨年までの出題傾向では、普通の勉強の仕方だと対応が難しく、受験生が少し可哀想に感じていました。そこで、少し点を取りやすくと考えた結果であったのはわかりますが、少々やり過ぎの感も否めません。次年度以降はどういうレベルの出題になるのか、増々読みにくくなってしまった気がします。

稚拙な分析で申し訳ありませんが、少しでも参考になれば幸いです。

以上、山ちゃんでした。

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